感覚の似ている アメリカ人と日本人

今の職場に異動してから4ヶ月ほど経過した。

今までは水耕栽培のハウスの中で仕事をしていたが、今は露地栽培の部署で仕事をしている。

マネージャーのヘザーは海よりもひと回りほど年下だが、学ぶべきところが沢山あるステキな女性だ。

最近は心を許してくれたようで、プライベートのことも話してくれるようになった。

プライベートではさすがに海の方が経験豊かなので、アドバイスを出来ることが多い。

不思議なことに、英語が下手くそでもヘザーにだけは言いたいことがきちんと伝わる。

感覚がとても似ているからだと思う。

最近わかったことだが、歳は違えど誕生日が1週間違いで星座が一緒。

そのせいか?はわからないが、考えていることや相手がやろうとしていることが手に取るようにわかるので、仕事をしていてとても楽だ。

だいたい海がヘザーに仕事についての提案をすると、「私も同じことを考えていたよ。その考えで行こう」とほぼ100%同意してくれる。

「海がそういう風に言うと思っていた」と言われることも多い。

 

最近2つのエピソードがある。

1つ目は、売れ残ったハーブの苗を大きな植木鉢に植え替えて、ファームストアの入り口に置く作業を2人でしていた。

2つの大きな植木鉢に、バジル、ラベンダー、ローズマリーの3種類をそれぞれ植えてストアの入り口の両サイドにおいた。

その植木鉢を回してローズマリーを正面に向けると、

「海がそういう風に動かすと思っていたよ。私も同じことを考えたから」

とヘザーは笑いながら、「本当に私たちって似ているよね」と。

 

2つ目は、オフィスで仕事をしている同僚のジェンが来週からバケーションで1週間休みだと知り、ヘザーと海は同じ行動をしていた。

この日は春のCSA(地域支援型農業)の最終日。

CSAの会員になってくれた人に10週間、畑の野菜をバッグに詰めて渡す最終週。

従業員も20%割引でこのCSAに参加できる。

ジェンは旅行に行くので、最後の週はいらないと聞いていた。

でも最終週のバッグの中身で、アップルとガーリックだけは渡せると思って、ジェンに渡した。

それをヘザーに報告をすると、「実は私もジェンにイチゴを昨日渡したんだ。子供のおやつに持っていけると思って。ジェンからも連絡が来て、すごく喜んでいたよ。私たちは2人ともジェンのことを同じように考えていたね」

 

小さな2つのエピソードだが、こういうことが日常茶飯事に起きている。

お互いに考え方、仕事の仕方が似ているので、とてもスムーズに仕事が進む。

ヘザーはフィールド全体を管理しているマネージャーで、露地栽培の中の4つの部署を同時に見ているのでとても忙しい。

海は自分の任されている部署の仕事しかわからないが、ヘザーに負担をかけないように先回りして仕事ができるようになってきた。

そしてすべてを報告する。

これができるようになったのも、ヘザーの仕事の仕方と性格を理解できるようになったからだ。

そして感覚が似ているというのもとても大切だ。

似ているから、お互いにストレスがなく思い通りに仕事ができている。

こんなに感覚の似ているアメリカ人に出会えて、不思議でもあり、幸せである。