明るく・素直に・元気よく!!
子供のころからずっと母親に言われ続けてきた言葉だ。
アラフィフになった今、振り返るとずっとこのままに育ってきたと思っている。
楽天的で細かいことは気にせず、物事を深く考えず、思ったことを思った通りにやってみる。
失敗してもやり直せばいいだけだという感覚だ。
もちろん半世紀近く生きてきて、辛かったこともたくさんあるし、普通の人はあまり体験しないことをたくさん体験してきた。と思う。
「本を書いた方がいいんじゃない?」と言われたことは1回ではない。
波乱万丈な人生を歩んできた。
失敗してもつまづいても、自分の思うままに生きてきたので後悔は全くないし、とても良い人生だと思う。
そんな海の周りにいる人は、海とは全く違うタイプの人ばかりだ。
とても神経が細やかで、自分のことより人のことを優先し、言いたいことを自分の中に溜め込んでしまう。
素晴らしい才能を持っていて、性格も良い、なのにイマイチ自分のことに自信が持てずに、悩むことが多い。
こんな人が周りに多い。
「ヘザーってなんだか俺に似ているね」
職場の畑で念願の露地栽培に異動ができ、海の直属のボス(マネージャー)がヘザーだ。
2週間一緒に働き、少しずつ自分のことを話してくれるようになった。
そのことを家に帰って空に話した時の空の言葉だ。
考えてみると、今まで仲良くなってきた友人たちの多くは、海とはまったく違うタイプの人たちだ。
たぶん、そういう人に惹かれるのだろう。
自分にないものを持っている人に惹かれ、そしてお互いに磨きあうために出会うのだろう。
ヘザーや空から学ぶことはとても多い。
彼らはとても真っ直ぐで純粋なので、自分の汚い心が恥ずかしくなることも多々ある。
彼らと一緒にいることによって、汚かった心の部分が少しずつ綺麗になっていく。
真っ直ぐで純粋な人たちは、とても感覚が敏感なので、嘘や誤魔化しはきかない。
だから良い意味で背筋がピンとなる。
そして一緒にいるととても気持ちが良い。
空曰く、彼らも海の底抜けに明るい部分に惹かれるらしい。
性格やタイプは真逆だが、感覚はとても似ている。
だからどんな話をしても話があう。
「私の頭の中は常に考え事でいっぱいで、止まらないんだよね。だからものすごく疲れる。夏の繁忙期までに、少しリラックスする時間を作らないと」
ヘザーはいつも眉間にシワを寄せている。
「ヘザー、脳は数%しか使っていないのは知っているでしょう?考えすぎて疲れるっていうことはないんだって。考えすぎて疲れたって感じる時は、目が疲れているだけなんだって。目を休ませるだけでだいぶ疲れが取れるらしいよ」
「うん、それはメイクセンスだね。ずっと蛍光灯の電気の下にいるのは辛いから、家ではなるべく蝋燭の火で過ごすようにしているんだ」
「蝋燭の灯りは良いね。LEDのライトは最悪だって知ってる?」
「知っているよ。ワーストらしいね」
こんな感じで、興味をもっていることや感覚が同じなので、どんな会話をしても話が広がる。
そして2週間働いて、ヘザーはとても繊細で海がどのように感じて一緒に働いているかが気になっていることがわかった。
「ヘザー、これから一緒に働いていくのに言っておきたいことがあるんだ」
「なに?」
「私はヘザーのことが大好きだから、私のことを何も気にかけなくてもいいよ。そして、もし仕事でちょっとでも気になることがあったら躊躇せず何でも言ってね。ヘザーは言いたいことがあっても時間をかけて適切な言葉を選んで、でも言えないでいるでしょう?でも、私にはそんなことをしなくてもいいから。言いたいことは何でもすぐに言ってね。仕事は仕事。ヘザーは素敵なボスなんだから」
「ありがとう、海。私のそういうところ分かった?今、一生懸命克服しているところだから・・・だんだん良くなってきているけど、もう少し直していかなくちゃ。そういう風に言ってくれて本当にありがとう」
ヘザーとの会話の中で、ヘザーは海の性格をきちんと把握しているのがよくわかる。
そして海のことをリスペクトをしてくれているのもわかる。
東京で飲食店を一緒に経営をしていた元パートナーから言われた大好きな言葉がある。
「ダイヤモンドってダイヤモンドでしか削ったり磨いたり出来ないんだよ。お互いにダイヤモンドになって磨きあって輝いていこう!!」
きっと夫の空も、ヘザーもダイヤモンドなんだと思う。
いつもクリアで輝いて生きていくために、磨きあえる大切な人との出会いに感謝いっぱいだ。