酪農家・ボブのミルク

アメリ東海岸も春らしくなってきた。

日本からの桜で有名なワシントンDCも満開らしい。

去年から始めた協生農法の畑の桜も綺麗に咲いている。

生命力が漲っている季節、植物も動物もイキイキしている。

 

「牛が牧草を食べ出したから、これから4週間がミルクとバターが一番美味しい季節だよ。バターは真っ黄色になるよ」

 

アメリカに来て初めて、1ガロン(約3.7ℓ)のミルクを買った。

いつもはハーフガロンしか買わないのだが、今までにない少し黄色味がかっている美味しそうなミルクだったので、思い切って大きいサイズを買った。

 

夫の空はミルクを飲むとお腹を壊すので、出会った頃からソイミルクしか飲まなかったが、今ではボブのミルクが大好きだ。

数年前に「ボブのミルクは飲んでも大丈夫だ」という情報を聞いて空に試してみたら、本当に大丈夫でびっくりした。

それからは嗜好品として、たまに買って飲むように・・・

アメリカのスーパーにはラクトース(乳糖)フリーの牛乳まで売っているが、それはそれで不自然な気がする。

どんな味がするのか?

元々入っている成分を抜くためには薬品を使うと聞いたことがある。カフェインフリーのコーヒーは体に悪いから飲まないほうが良いらしい。

 

日本ではパスチャライズド牛乳、ノンホモ牛乳という物があるというのを最近知った。

今オンラインで勉強している発酵の先生に質問をしてみたら、とても詳しく教えてくれた。

先生は数年前に牛乳について勉強をしたらしい。

パスチャライゼーションとは、38℃以下の低温殺菌で、微生物を完全に死滅させることなく減少させる方法のこと。

ノンホモとは、ホモジナイジングしていない牛乳のことで、ホモジナイジングとは、特殊な機械によって牛乳に含まれている脂肪分を均等にさせること。

 

ボブのミルクはパスチャライズド、ノンホモ牛乳だ。

だから時間が経つと、脂肪が分離してくる。

最初のころは、腐ったのかと思って捨てていたが、まったく痛んだ匂いがせず塊(脂肪分)を食べたら美味しかったので、分離したミルクは海が飲んでいた。

飲むというより、ヨーグルトのように食べていた。

「それ大丈夫なの?」

と空は心配していたが、食べてもお腹をお壊すことはないし美味しいので、一人で楽しんでいたのだが、今はもう大丈夫で美味しいということがバレてしまった。

 

ちょっと勉強したことをボブに確かめるために聞いてみた。

「ちょっとミルクのことを勉強してみたんだ。ボブのミルクはパスチャライズドしていて、ホモジナイジングしてないんでしょう?」

「その通り、全米でもこういうテクニックを使っているミルクは少ないよ。本当に美味しいミルクを提供するために、結構大変なんだよ。こんど牧場に遊びにおいで。いろいろと見せてあげるから」

 

田舎暮らしの醍醐味だ。

野菜は働いている農場と自分の畑で採れたものを食べ、新鮮な卵は卵屋さんのアイリーンと友人のローラから無料でもらえ、濃厚なバターやミルクを安く買える。

食生活の安定が、生活の豊かさに繋がる。

幸せな毎日に感謝いっぱいだ!!