人体実験大成功!!1日1食のススメ Part 2

「即入院してください。すぐにインシュリンの治療を始めます。」

日本の病院で夫の空が女医から言われた。

血糖値が500以上で、入院+インシュリン治療=糖尿病患者だ。

空は絶対にインシュリンだけは避けたかった。

打ってしまったら、本当の糖尿病患者になってしまう。

自分の力でインシュリンを分泌することができなくなり、一生インシュリンを打っていかなければならない。

女医を怒らせ、入院もインシュリン治療も断り、1ヶ月後の再検査のために1日1食を始めることにした。

 

住み込み寮生活で1日1食

空と海は冬のワンシーズン、日本のスキーリゾートホテルで住み込みのバイトに来ていた。

3食まかない付きだ。

リゾートアルバイトの略「リゾバ」で働いているのは、断然若い子が多い。

まかないも若い子が喜ぶような、洋食や揚げ物が多い。

和食党のアラフィフ夫婦にはちょっとキツイまかないだった。

「まずは炊飯器を買って、玄米を部屋で炊こう!!」

食事は通常、ホテルのレストランの片隅でいただく。

1日3食、レストランのシェフの人が忙しい時間の合間に用意をしてくれる。

それを1食だけ部屋に持ち帰り、玄米と一緒に食べることにした。

レストランのお皿を寮の部屋に持っていくのは禁止なので、タッパーを買ってそれに詰めた。

毎日ちょっと詫びしいが、そんな事は言っていられない。

海も一緒に1日1食をすることにした。

相棒がいた方が挫折をし難いと思ったからだ。

「1ヶ月間1日1食でどこまで血糖値を下げられるか、人体実験頑張ろう!!」

 

1日1食以外、血糖値を下げるためにやったこと

1ヶ月間で500以上ある血糖値を正常値100以下に下げるのは大変だ。

1日1食だけでは無理だ。

住み込みで働いているホテルのロケーションは最高だ。

ホテルは山の上にあり、ホテルの周りの道はかなりアップダウンがきつい。

短時間のウォーキングでもエネルギー消費は大きい。

周りは木がいっぱいなので、歩いていて気持ちが良い。

朝起きて3、40分汗をかく位の速さで歩いた。

汗をかいたあと、ホテル自慢の天然温泉に自由に入れた。

空が歩く午前中の時間は、温泉を利用するお客さんは少ない。

ほぼ貸し切り温泉で、ゆっくりたっぷりと汗をかいた。

大好きだった間食もやめ、とにかくストイックに食事制限とウォーキングを毎日続けた。

最初は、空きっ腹で歩いて温泉に入って目眩を起こしていた。

だんだんと1日1食生活にも慣れ、筋肉も体力もついてきて、体が軽やかになっていった。

「確実に血糖値は下がっているような気がするよ。」

1ヶ月後の再検査がだんだん楽しみになってきた。

 

医者も驚く1日1食の効果

再検査の日、海も空に付いていくことにした。

いつ行っても病院は好きになれない。

長時間いると元気な海まで病気になりそうな気がしてくる。

「血糖値は正常値になっています。何をしたのですか?」

入院とインシュリン治療を断って、処方箋をビリビリに破き怒った女医が聞いてきた。

「1日1食にして、毎朝歩いただけです。」

 

「やったね!!人体実験大成功だね。」

空と海は大喜びをした。

自分たちが正しいと思う健康法を信じ、血糖値を400以上も下げ、インシュリン治療も受けなくて済んだ。

もちろん全ての人に効果的か?というと、そればっかりは分からない。

空と海はその後も1日1食を続けている。

たまには2食食べることもある。

ストイックにやったのは、1ヶ月間だけだ。

 

海は最近、「食べない健康法」が一番じゃないかと思っている。

風邪をひくと「元気をつけるためにいっぱい食べなさい。」と言われてきた。

これは逆効果だ。

体調が悪い時、風邪をひいた時などは、何も食べずに水分だけたっぷりとって寝ていると、1日で治ってしまう。

野生の動物と一緒だ。

彼らは怪我をしたり、病気になると食べずに寝ている。

体を飢餓状態にすると、生存意識が高まって細胞が活発に動く。

自然治癒力を高めるためにも、無駄に胃腸を動かしてエネルギーを消費してしまうのはもったいない。

胃腸を休め身体を癒すために、エネルギーを100%使えば治りも早いのだ。

1日1食にしてから、体調管理がしやすくなった。

病気や怪我の治りも早くなった。

アラフィフにして、体力の衰えもあまり感じなくなってきた。

空はもう一度「空を飛ぶ」ことを始めようとしている。

自家用操縦士の免許は持っているが、長年乗っていなかったので健康診断を受けなければならない。

先日健康診断に行ってきたが、全く問題がなかった。

最近では血糖値が上がってくると”感じられる”ようになった。

今でも甘いものは食べる。

健康維持、体調管理は”気がつく”ということが一番大切だ。

体調がおかしくなってきたと”気がついたら”止めればいいのだ。