アメリカ田舎町のコロナ事情

新型コロナのパンデミックが発生してもうすぐ2年になる。

世界的にはまだまだ収まりそうもない現状だ。

日本のある医者であり科学者でもある人は、「110日周期で起きているので、間違いなく次の波も起こる」と言っている。

これはウィルス特有の季節性のもので、新型コロナウィルスに限ったことではないとのことである。

それでも世界中でこの騒ぎが収まらないのは、ウィルスとは違う他の脅威を感じてしまう。

アメリカのNYやロサンゼルスといった大都市では、屋内施設(レストランやショッピングモール、映画館)などを利用するのに、ワクチン接種完了か72時間以内の陰性証明が必要とのこと。

だいぶ行動が規制されるようである。

 

海が住んでいる田舎町は、まだそんな気配はまったく感じない。

スーパーマーケットやレストランでマスクを着用しているひとは、だいたい半分くらいだ。

働いている農場ではマスクを着用している人は0だ。

去年までは作業場や水耕栽培のグリーンハウス、オフィスに入る時はマスク着用だったが、いつのまにかサインもなくなりマスクを着ける人はいなくなっていた。

先日、6月にオープン予定だった農場直営のグロッサリーストア&ベーカリーショップが約5ヶ月遅れでようやくグランドオープンした。

グランドオープンに合わせて、Autumn Festival(秋祭り)を企画し、地元のベンダーが集まり子供たちの遊具なども用意して、大きなイベントが開催された。

そこに参加した人たちの90%はノーマスクだった。

そして久しぶりに会う友人、知人とは今まで通りのハグや握手の挨拶。

人々の会話も、コロナの話題は皆無である。

もうすでにコロナは過去の出来事になっている。

 

日本のニュースを見ると、まだまだ毎日のようにコロナのニュースをみかける。

個人的は「もうそろそろコロナの話題はいいんじゃないの?」と思ってしまう。

コロナ以外の理由でも、人は病気になったり亡くなったりする。

癌で亡くなる人は1年間に40万人以上だという。

1時間に40人以上亡くなっているのだ。

コロナで緊急事態宣言を出すのなら、「癌・緊急事態宣言」をとっくに出していなくてはならない。

1時間に40人だったら、1日に約1000人の人が毎日、毎年ずっと癌で亡くなり続けているのだ。

 

海の生活は自由に日本に帰れなくなった以外はコロナ前とほとんど変わらない。

だから世の中で起きていることが、本当に現実なのだろうか?とも思ってしまう。

ジョージ・オーウェル著『1984』と同じことが起こっているということを聞き、夫・空の本棚の中に眠っていたこの本を読んでみた。

まさに同じような世界に生きているような気がしてしまった。

まるで世界中で起こっていることは『1984』の映画の実写版を観ているような不思議な感覚さえしている。

これからこの田舎町も変化が起こるのだろうか?

それともこのまま、過去の出来事として何もなかったかのように終息するだろうか?

もう2021年も2ヶ月ちょっとで終わりである。