10代後半の頃から「平凡な人生は送りたくない」と言っていた気がする。
今思うと、何を平凡だと思っていたのか?
変化が少ない人生が平凡だとすると、海の人生は思い通りのジェットコースターのような人生である。
昔からそういう人生を楽しんでいたように思う。
今回のハプニングは夫の空が働けないという事態だ。
車の運転も出来ないし、働けない。
最初の2、3週間は頑張りすぎた。
「私が頑張らないと・・・」
いつものパターンで、自分を追い込んだ。
そしてクタクタに。
自分は働くことも動くことも苦にならないといつも言っているし、今もそう思っている。
でもそれは余裕がある時だ。
キャパシティを超えると、苦痛になってしまう。
自分に優しく無理をしない
アラフィフの今はこれを大切にしている。
「今は大丈夫?だいぶ無理をしていない?」自分に問いかけてみた。
「しているかも・・・」
ではどうするか?
「空、お料理を担当してくれるかな?その代わり、私が思いっきり働くから!!」
海の時給は空の時給の半分。
いや、半分より少しだけ多い。
二人で働いていた時は余裕があったが、海の稼ぎだけで生活していくためには、1週間に60時間くらい働かなくてはやっていけない。
家賃は収入の3分の1に収めればなんとかやっていけるらしい。
60時間働かなくても、56時間くらいでもなんとかなるかもしれない。
今までも贅沢な生活を送っていたわけではない。
無駄遣いや外食などせず慎ましい生活をしているので、これ以上切り詰めてギリギリの生活はしたくない。
60時間働けば今まで通りの生活をしても、なんとか赤字にならずに済むかもしれない計算だ。
海は料理が得意で空は苦手だと思い込んでいた。
でも基本的に、食べることが好きな人で料理が下手な人はいない。
空は食べることが大好き。
そして味覚がとても敏感だ。
空も何もせずに家にいることに罪悪感と少しの苦痛を感じていたようだ。
家にはたくさんの食の本がある。
空が選んだのは、幕内秀夫先生の「粗食のすすめ」
レシピ本も出ているので、計8冊の本を出して毎日読んでいるようだ。
自分の血糖値のことも考えて、今まで海が出していたように野菜の前菜2品、味噌汁、そしてメインを作ってくれている。
海の2倍か3倍の時間がかかっているかもしれないが、美味しい料理を作ってくれる。
「幸せ〜!!」
仕事から帰ってきて人が作ってくれる食事をするのが、こんなに幸せなことだとは思わなかった。
手料理は本当に人を幸せにしてくれると再確認。
今までは実家に帰った時に、母が作ってくれた食事をするのが何よりも幸せだった。
その母ももう料理が作れない体になってしまった。
食事で幸せにしてくれる人がここにも居た!!
なんで今まで空は料理が苦手だと決め付けていたんだろう???
どんなに困難なことが起こっても、新しい発見が必ずある。
そして今まで味わってこなかった幸せも味わえる。
やっぱり波乱万丈の人生は楽しい!!
数字が苦手な海は計算を間違って、先週は61時間以上働いてしまった。
それでもとても元気だ。
土曜日も働いても、疲れが残っていない。
たまには立場を入れ替わって生活をしてみるのも良い。
たぶん一生、波乱万丈の人生は続くのだろう。
だって、望んでいるんだから・・・