住めば都 アメリカの田舎町

今住んでいる田舎町に引っ越しをしてきて、もう丸6年が経過した。

それまでは、お金さえあれば何でも手に入る大都会に住んでいた。

しかしもう、都会生活はできないし、したいとも思わない。

魅力的な刺激は多いが、それよりも生活してくのにストレスが多すぎる。

今思うと、かなり無理をして生活をしていた。

夫の空が仕事を辞めて1ヶ月、休んでいたのも入れると2ヶ月以上になる。

それでも、のほほ〜んと暮らしていけるのはこの田舎町だからだ。

 

6年前に引っ越してきてからずっと、ここは通過地点だと思っていた。

この地にずっと住むなんて、これっぽっちも考えていなかった。

アメリカでの最終目的地はハワイだと思っていた。

しかし人生設計を新たに立て直すことになり、今の生活を改めて見直すと、とても幸せなのである。

「今ある物や事に感謝ができなければ、幸せなどはやってこない」

このことに気がついた。

今の生活はとても恵まれていて幸せだ。

 

「もうハワイへの移住を考えずに、ここでずっと暮らしていくことを考えない?」

空に提案してみた。

空も同じことを考えていたようだ。

ハワイに移住したら・・・と、”たられば”のやれるかどうかもわからないビジネスプランなども立てていた。

今住んでいるところで出来ないビジネスが、ハワイに行って出来るはずがない。

 

この田舎町に腰を下ろすとシフトチェンジしたら、今まで見ていたいつもの景色がキラキラと写るようになった。

働いている農場が、永遠の場所のように感じてきた。

一緒に働いている同僚が、家族のように思えてきた。

そして毎日の変わらない日常生活が、とても愛おしく感じるようになってきた。

不思議である。

何も変わってないのに・・・

変わったのは、自分の思いだけある。

 

ここの地でずっと暮らしていくためのビジネスプランを空と一緒に考えてみた。

最終的には、自分たちの好きなことをして暮らしていくことをずっと考えていたからだ。

性格も方向性も好きなことも違う夫婦二人で、一緒にビジネスをやるのは難しいと思っていた。

しかし立場が変わって空が家事をやり、海が大黒柱になった今、お互いに新たな発見と可能性をたくさん見出した。

「これなら一緒にビジネスをやっていけるかも!!」

簡単なビジネスプランを作り、試行錯誤の毎日である。

海は今働いている農場が大好きだ。

農場の仕事も辞めたくない。

農場の仕事をやりながらやれる方法はないか?と考えていたら、なんだか良い方向に向いてきた。

自分たちのアイディアをマネージャーのヘザーにちょっとだけ相談したら、乗り気になってくれている。

そしてオーナーのアンディにも話をしてくれたようで、なんだか良い感じで話が進みそうである。

まだまだどうなるかわからないビジネスプランだが、どうなろうと、この田舎町でなら幸せに暮らしていけると確信している。

今のアラフィフ夫婦の目標は一軒家に住み、動物(犬・猫できれば、鶏なども)と一緒に生活をしていくことである。

最終目的地が決まったら動物を飼うと決めていた。

それまでに行きたい国や場所に旅行へ行き、最終地が決まったら小さなビジネスをしながら、動物たちとのんびり暮らしていくことを夢見ていた。

不自由な世界中の大混乱はしばらく収まりそうもないので、これから先、旅行をすることは諦めた。

もう夢を見るのはやめにして、行動に移していく。

何処にいても、何をしていても、自分が幸せだと思えることが一番大切なのだ。