今までの48年間の人生で、明確な目標を設定したことなどなかった。
やりたいと思ったことは口に出す。
ずっと自分自身や周りの人たちに言い続けていると、いつか現実になる・・・
そんな人生だった。
農場で働いていると、とてもリラックスできる仕事がある。
海が担当している仕事は今のところ、月曜日から水曜日の午前中までが超忙しい。
ほぼ止まることなく動き回っている。
水曜日の午後から金曜日まではのんびりとできる時間がある。
そんな時は草むしりをしたり、種の植え付けをしたり、収穫したり・・・
のんびりとできるのはあともう少し。
5月過ぎからは夏の繁忙期に向けて、どんどん忙しくなっていくだろう。
そんなのんびりとした時間にふと「明確なハワイ移住計画」が頭に浮かんだ。
農場のオーナー・アンディのお父さんのボブさん(5代目オーナー)は、3年前までは農場の敷地内の家に住んでいたが農場が大きくなってきたので、ボブさんの家は事務所となり、ボブさんと奥さんは車で5分ほどのところに引越しをした。
今のボブさんの家の敷地にグリーンハウスがあり、そこでハーブやベビーリーフなどを中心に育てている。
今、あと2棟のハウスを建設中だ。
金曜日はボブ・ハウスでの作業が中心だった。
やっと暖かくなってきたのに、この日は雪が舞うほどの寒い1日だったが、ハウスのなかはポカポカ。
とても小さなセルトレーに植えてある小さな苗を、少し大きなセルトレーに植え替える仕事をしていた。
一人作業でとても穏やかに、のんびりと幸せなひと時だ。
そんな時、突然これからの目標が明確に浮かんできた。
「2025年にハワイに移住をしよう!!」
夫の空と海のアメリカでの最終目的地はハワイだが、2019年に一度あったチャンスを掴むことはできなかった。
そしてそのすぐ後に新型コロナのパンデミック。
チャンスを掴んで2019年にハワイに移住をしていたら、今頃大変なことになっていたかもしれない。
今住んでいる田舎町だから、あまりコロナの影響を受けずに暮らしていけている。
そしてこのコロナのおかげで「ハワイ移住計画」は一時保留とした。
「今」を生きていくことが最優先だからだ。
海は今まで農場でパートタイムで働いていたが、フルタイムで働くことによって責任ある仕事を任せられるようになった。
そして収入も安定している。
「人生計画通りになんて行かないのが当たり前だ。計画を立ててもハワイで生活をしてみないとわからないことは多い。まずはハワイに住むのが先決だ!!」
それには1年半くらい何もしなくても、食べていけるだけの貯蓄が必要だ。
アラフィフの私たち夫婦は、ほとんど貯金はない。
とくに海は「死ぬまで働く」と思っているから、何歳になっても働ける健康な心と体を作ることに趣を置いている。
お金を貯めることよりも、健康な肉体を作ることの方が大切だと思っていたので、お金に無頓着だった。
ハワイでの生活ではどこかに勤めに出るのではなく、自営業を再開したいと思っている。
大まかなプランはあるが、実際に住んでみてから細かいことを決めていくとすると、1年か2年くらいは収入がなくても生きていけるだけのお金が必要だ。
今の生活で、まったく無駄遣いせずに最低限暮らしていくのに必要な金額は1ヶ月$2000(約20万円)
ハワイではこんな金額では暮らしていけない。
大きく見積もって1ヶ月$5000(50万円)×18ヶ月=$90,000
ざっくり$100,000あれば1年半ほど働かずに暮らしていけるという計算。
この金額を2025年までに貯めて、ハワイに移住をする。
この計画をすぐに空に伝えた。
「良いね!!やっと動き出すね」
空曰く、海は止まっていたらしい。
計画を立てようとしても、「今は考えられない。今のことしか考えられない」と言っていたらしい。
海の中ではハワイ計画をやめたわけではなかったが、計画を立てる心の余裕がなかったようだ。
今まで行き当たりばったりで歩んできた人生だが、さすがにアラフィフとなると行き当たりばったりが難しくなる。
しっかり計画を立てて、もちろん計画通りに事が進むことなどはないので、臨機応変に対応していきながら、2025年を目指す。
計画を立てないと、今やるべきことが明確にならない。
「$100,000貯めればいいんだよね。2025年にならなくても、この金額に達したら移住するんだよね」
「もちろん!!」
空のやる気に火を灯したようだ。
お金に無頓着だった時は$100,000なんて夢のまた夢の金額だったが、実際に貯めようと計画するとできない金額ではない。
感覚というものは不思議なものだ。
今年の夏に与えられた農場の仕事の結果を出し、来年になったら時給アップの交渉でもしてみようかな・・・なんて考えている。
もう少しで車のローンも終わる。
今より家賃が抑えられる場所も視野に入れてみよう。
期間限定なら、今よりも狭くて不自由でも我慢はできる。
2021年になったら、ますます時が経つのが早く感じる。
この感じだと2025年なんてあっという間だ。
ビジネスプランももう少し細かく考えなくちゃ!!
やらなくてはいけないことが、まだまだたくさんある。
またもやワクワクしてきたぞ!!