週2回ヨガクラスに通っていて、いつも一緒になるおじさんがいる。
もしかしたら、海より年下かもしれないが、アメリカ人の年齢は本当にわからない。
そのおじさんはアメリカ人にしてはあまり背は高くなく、ガッチリとした体格だ。
見た目は体が硬そうだがけっこう柔軟で、ヨガ歴はわからないが海と同じくらいのレベル。
ヨガクラスの定員は15名。
鏡の前の列は4名、窓側の後ろの列は6名、そしてその真ん中に5人。
コロナ禍で保健所で認められているのが、この人数。
海はいつも鏡前の一番左端を自分の定位置にしている。
一度その場所で始めたから、なぜか落ち着く。
おじさんの場所はいつもバラバラだ。
この日は海の隣に来て、別に挨拶をすることもなく、もくもくと準備運動を始めた。
金曜日の夕方はサーファーのローレルのクラスで、テンポが早くノンストップの激しいクラス。
息が切れるほどのスピードの中に腕だけで体を支えるパワー系のポーズも入れてくる。
もちろん海にはまだまだハードルが高くてパワー系のポーズは出来ない。
鏡の前のこの日のメンバーはスタジオのオーナー兼インストラクターのデーナ、そしてパワー系が得意の男子のブリー、そしておじさん、海という配列だった。
バテる寸前のところでパワー系のポーズの号令、鏡ごしに視線を感じた。
おじさんと目が合う。
隣のブリーとデーナがポーズを取っている横で、できない2人は目が合い思わず大笑い。
つられてインストラクターのローレルも大笑い。
なんの笑いかわからないが、3人でしばらく大笑いだった。
「こんなの出来ないよね〜」という笑いなのか?
「信じられない、2人も凄い!!」と驚きの笑いだったのか?
この瞬間、おじさんとの仲間意識?連帯感?を感じた。
次週のクラスもおじさんと一緒になった。
おじさんは親しそうな笑顔で海に挨拶をしてくれた。
なんだか仲間が出来たようで嬉しい瞬間だった。