夫、空との会話で気がついたことがある。
「南に向かって走って行って、東の方向に曲がるのは左だよ」
海はよく、右と左を言い間違える。
頭では右と思っていても言葉では左と言ってしまったり、その反対もある。
これは日本語、英語、両方で同じだ。
それでも東西南北は間違えない。
一般的に「女子は地図が読めない」と言われる通り、地図を読むのも苦手だ。
それでも方向音痴ではない。
道を覚えるのは早い。
アメリカではどの道でも名前が必ず書いてあるので道順を聞くと、道の名前で教えてくれる人がほとんどだ。
それでは海は覚えられない。景色と距離の感覚で覚えるのだ。
曲がる角の建物や、木、看板を目に焼き付ける。
だいたい1回、細々とした裏道でも2回通ればほとんど覚えてしまう。
この体の感覚は育った環境がとても大きいと気がついた。
海が生まれ育った場所は四方を山に囲まれていた。
毎朝犬の散歩をしていたのは朝日が昇る時間。朝日は○○山から昇っていく。
2回目の散歩は夕暮れ時だ。
夕日は○○山に沈んでいく。
母から教わった天気予報の読み方もおおよそ外れない。
朝日が昇る山に雲がかかっているときは風が強く、天気が変わることが多い。
小さい頃からこんな環境で育っているから、体に東西南北の感覚が染み込んでいる。
こんな感覚を持っていることにまったく気がつかなかったが、アラフィフにして新たな発見をした。