日本語のありがとうは神様に繋がっている言葉だと聞いたことがある。
他の国の言葉では繋がらないらしい。
とても暑い日の午後、同僚のメキシカンの子達の仕事を手伝ってインゲンの収穫をしていた。
日陰もなく風もない炎天下の中、さすがのアミーゴ達もバテ気味だった。
そういう時は馬鹿話をしながら、大声を出したり笑ったりして気分を盛り上げながら体を動かす。
そんな時、良いことを思いついた。
「ビエント、グラッシャス!!」
まずはスパニッシュで言ってみた。
「海、ビエントは日本語でなんて言うの?」
「かぜ」
「グラッシャスは?」
「ありがとう」
みんなで「かぜ、ありがとう!!」と日本語で言った。
そしたら風が本当に吹いたのだ。
もう一度「ありがとう」と言ってみた。
そしたらまた風が吹いた。
アミーゴ達は偶然だと全然信じてくれなかったが、そのあとも「ありがとう」を言う度にちゃんと風は吹いてくれた。
やっぱり「ありがとう」という言葉は神様と繋がっているのだ。
風の神様がちゃんと聞いてくれたらしい。
私たちの周り(自然の中)には、神様がちゃんと見守ってくれているようで、疲れも吹き飛んだ。
彼らと一緒に働いている時、いつも馬鹿なことばかり言っているので、最後まで信じてもらえなかった。