週に2日、ヨガクラスに行くのが今は何よりの楽しみになっている。
金曜日の夕方と日曜日の朝。
金曜日のインストラクターは、サーフィンも教えているアクティブ系。
息が上がるほどテンポが早く、汗をたっぷりとかかせてくれる。
日曜日のインストラクターは癒し系。
ゆったりストレッチを中心にじっくりと体幹を鍛えてくれて、最後は優しいウィスパーボイスでリラックス。
あまりにもリラックスし過ぎて、寝落ちしてしまうこともある。
ヨガを始めて4ヶ月。
途中で怪我をして1ヶ月はクラスには行けなかったが、家ヨガは続けていた。
体の変化が著しい。
夫の空からマフィンちゃんと呼ばれていたお腹周りの脂肪がすっかりなくなり、20代のようなくびれが出来た。
体重も2〜3kgは減って、そこからは安定している。
ヨガのおかげで、体も心も健康そのものだ。
仕事の後のハードなヨガ
基本的に海は体を動かすのが大好きだ。
日本で飲食店を経営していた時は、週に2日、走るか泳ぐかを続けていた。
毎晩お酒を飲み、毎朝二日酔い状態でも汗を流してお酒を抜いていた。
若かったから出来たことだ。
5年前までのアメリカの都会生活でも、ストレス解消に泳いでいた。
どんなに疲れていても、体を動かした方が疲れが抜ける。
都会に住んでいた時の休日は、体が動かないくらいヘトヘトだった。
這うように車に乗り、プールで1kmほど泳ぎ、ジャグジーでリラックスをすると、仕事の疲れはすっかり抜けていた。
疲れたからといって家でのんびりとしていると、どんどん疲れが溜まってしまう体質だ。
金曜日のヨガのクラスはとてもハードだ。
テンポが速くてついていくのがやっとだ。
海はこのクラスの最年長に見える。
しかもまだ初心者。
このクラスは若者かヨガ熟練者がほとんどだ。
1週間の農場の仕事を終え、やる気満々でクラスに参加。
足を怪我していたせいもあるのか?足の筋力が弱まっていて、ポーズの途中でバランスを崩してしまう。
クラスの途中、足の筋肉が震えだす。
心の中で笑ってしまう。
「こんなに筋肉が衰えているんだ〜」
簡単にできると思っていたポーズが取れない。
「やっぱり歳をとってきたな〜」
やっと自分の歳を自覚する48歳の海である。
ヨガと一緒に英語の勉強
金曜日のインストラクターのローラは、言葉で気持ちを高めてくれる。
自分の読んだ本の中から引用したり、昔おばあちゃんから聞いた話をしたり、心理的に気持ちを前向きにする言葉、自分と向き合わせてくれるような言葉を巧みに使う。
すべてを聞き取れるわけではないが、なるべく1つ1つの言葉に注意を向けるようにしている。
分からない言葉があると、クラスの後に質問をする。
「クラスの途中で話していた言葉の意味がわからないんだけど、ビーエンってどういう意味?」
これはネイティブ・アメリカンの女性の言葉だった。
「この世の中に存在するものは、すべてビーエンである。オーシャンもビーエン、木もビーエン、花も鳥も周りにあるものは全てビーエン」
人間が作ったものではなく、「すべては与えられた宇宙と繋がった存在」であるという意味らしい。
だから自然に、ありのままに生きていけば良いという教えだ。
家に帰って空にこの話をした。
「ところでビーエンってどういうスペル?」
海はなんとなく自分の中で理解できた時点で良しとしてしまう。
空は、きちんとその言葉の意味を把握したい人だ。
「スペルはわからないよ。ビーエンって言ってたよ」
「ちゃんとスペルまで聞いてきたら、もっと良く言葉の意味を把握できたのに」
その通りである。
体を動かすことは、とことん納得がいくまで鍛えるのだが、英語は”なんとなく分かれば良い”という状態で終わりにしてしまう。
ヨガはすぐにハマり上達が早かったが、英語が上達しないのはハマらないからであることがわかった。
もう少し英語にもハマれば、上達は早いかもしれない。