最年少のアメリカ人の友達

友達の定義を考えてみた。

気が合うのはもちろんだが、自分には持ち合わせていない尊敬できる何かがあることが海にとっては大切だ。

30代まではほとんどの友達が年上だった。

一番上だと25歳も離れている友達もいる。

40を過ぎてから年下の友達が少しずつ増えている。

5年前43歳の時、日本のスキーリゾートに出稼ぎ行った。

この時、年下の子に好かれてびっくりした。

まあ、好かれていたと言うよりも珍しがられていただけかもしれない。

しかし5年経った今でも、10歳以上年下の子3人と繋がっている。

みんなそれぞれ、海に持ってない光るものを持っている。

最年少の友達

今一番最年少の友達は、アメリカ人の25歳のクリサンだ。

2年前まで彼女は大学院に通いながら、海が働いている農場でアルバイトをしてた。

「私の夢は動物のためのサンクチュアリを作ることなんだ」

「私は畑仕事をしながら動物の面倒を見て、ニック(彼、今は夫)は教員免許を持っているから、夏休みは子供達のサマーキャンプを開いて生活していけたら最高!!」

こんなに明確に自分の夢を語る若い子と初めて会った。

海は若い時から夢見る夢子ちゃんだったので、若い子と知り合うと「将来何がしたいの?」と聞く癖がある。

日本のほとんどの子は、何がやりたいのか?何になりたいのか?分からないと答える。

アメリカ人の若い子は、何となくこんなことがやりたいという事はあるが、まだはっきりしてないという子が多い。

クリサンは動物が大好きで、農場で生まれた野良猫をすべて保護して病院に連れて行き去勢をして里親を見つけることもしていた。

ペット禁止のアパートに住んでいるので里親にはなれないが、海も少しだけカンパでお手伝いをしていた。

彼女が夢を見ている生活は、海の夢とダブルところが多い。

動物が好きな海も一軒家に住んで動物を飼いたい。

庭に畑を作って野菜を作り、小さな飲食店をやりたいと思っている。

自然が好きで山歩きに行ったり、旅が好きなのも似ている。

だから彼女との話は尽きない。

今は学校を卒業し、1時間半離れたここよりちょっと都会の街に暮らしている。

有言実行

彼女のすごいところは、人生の計画をきちんと立ててそれを実行することだ。

2年前畑仕事をしながら、こんな会話をした。

「ねえ海、外国で結婚する手続きってどうするの?」

「え?ニックと結婚するの?」

「うん、来年学校を卒業したらスイスで結婚式をする予定なんだ。今二人でお金を貯めているところ」

彼氏のニックもたまに農場にアルバイトに来ていた。

優しくて頭が良い、ナイスガイだ。

日本人の海がアメリカで日本人の空と結婚したことを知っているので、アメリカ人の二人がスイスで結婚式をするために必要な手続きを知りたかったらしい。

日本人がハワイで式を挙げることを例に出して、式を挙げるだけなら特に何も必要はないんじゃないかと言った。

彼女は去年、本当にスイスで結婚式を挙げた。

写真を見せてもらったが、スイスの大自然の中の教会でモデルのような二人が写っていた。

先日大きな綺麗な虹の写真と共に、彼女にメッセージを送った。

「海!!!ちょうどニックと海の話をしてたことろ、会いたいよ!!」

嬉しい返事が返ってきた。

もともと海は友達と頻繁に連絡を取る方ではない。

1年、2年ぶりというのも珍しくないが、会えば一気に出会った頃の関係に戻る。

そんな友達関係がとても気に入っている。

クリサンとも1年以上ぶりだったが、関係が変わらず繋がっていて嬉しい。

アメリカ人の友達は距離が離れると切れてしまう関係が多かったから、余計に彼女との変わらない関係は嬉しい。

 

彼女の次の計画

「コロナのパンデミックで変わりない?」

「幸運にも空は変わらず空港で働いているし、私も農場で働いているよ。クリサンとニックはどう?」

「私たちも影響はあまり受けてないけど、少し収入は減っちゃったかな?来年家を買う予定だからお金を貯めているんだ」

「家を買ってからの話だけど、海たちと一緒に日本を旅をしようとニックと話をしているんだ」

「海と空に、本当の日本を見せてもらいたいと思っているんだ」

 

「良いね。4人で一緒に日本に行きたいね」

軽く返事をした。

「まだわからないけど、2022年の6月くらいにって思っているよ」

彼女は明確に目標を立てる。

人生の計画性がない海が感心するのは、彼女のこんなところだ。

 

2022年なんてどうなるか分からないが、もう彼女らをどこに連れて行こうか?考えている。

彼女のおかげでなんだか目標ができたようで嬉しい。