畑の中のスナックスタンド 

アメリ東海岸で6代続く大農場で働いている。

6代目オーナーのアンディは、現在3つの会社のオーナーだ。

海が働いているのはそのうちの1つ。

かなりの大地主なので、畑はどこにどれだけ所有しているのかわからないほどだ。

夏の時期のメインの野菜は、トマトとシシトウ。

なぜか?シシトウが大人気で年々シシトウ畑が大きくなっている。

これから毎日のようにシシトウとトマトの収穫が始まる。

シーズン前に、実験的にグリーンハウスの中でシシトウとプチトマトの袋栽培をしていた。

5月頃から収穫が始まり、露地栽培の収穫が始まるちょうどいいタイミングで、ほぼ収穫時期が終了した。

実験的に少しだけ栽培していただけなので、5月6月はレストランのオーダーに少しだけ応えられるだけだった。

プチトマトはなぜか放って置かれていた。

ファーマーズマーケットの売り子をやっているアルバイトの子が1、2回収穫していたが、その後は誰も収穫しない。

海はトマトが大好きだ。

ここのグリーンハウスは海にとってのスナックスタンドになった。

「お腹が空いたな」

「甘いものが食べたいな」

そんな時はここに来て、プチトマトを食べていた。

甘くて美味しいプチトマトは、ちょうどいいスナックだ。

午前8時を過ぎるとハウスの中はサウナ状態になり、トマトはホットトマトになる。

トマトは火を通すと甘くなるのと同様、ホットトマトも美味しかった。

そのスナックスタンドがとうとうクローズしてしまった。

大雨の日、外で作業ができないメキシカンの同僚たちがすべての苗を片付けていた。

「私のスナックスタンドだったのに〜」

「海、ここで食べていたの?もうすぐ山のようなプチトマトが毎日食べられるよ!」

毎年プチトマトを大量に持って帰ったり、しょっちゅう作業をしながら食べているので、メキシカンのボス、ロベルトは海がプチトマトが大好きなのを知っている。

 

袋栽培していたシシトウとプチトマトの苗をすべて処分し土を出し、コンポストを混ぜてまたたくさんの袋を作ってくれた。

今度は海がここのハウスを管理して、レタスとハーブの栽培を始める。

水耕栽培でレタスやハーブも栽培しているが、土で育ったレタスは味が違う。

春先に露地栽培で大量にいろいろな種類のレタスを植えたのだが、鹿にみんな食べられてしまった。

マネージャーのヘザーに好きなように管理していいと言われたので、いろいろな野菜を実験的に育ててみようと思っている。

早朝じゃないとこの中で作業はできないので、これから5時半出勤して8時頃まではここで作業をするつもりだ。

6年前に「農業を勉強したい!!」と大都会から引っ越しをしてきて、今やっとやりたいことができるようになった。

袋栽培はとても良いアイディアだ。

特に家庭菜園レベルでやるなら、最高な栽培方法かもしれない。

ハワイでの生活をイメージしながらやる農作業は、とても楽しい!!