19歳で日本の田舎町を脱出し、東京で16年そしてアメリカの大都会で7年半暮らしてきた。
日本もアメリカの大都会もなんでも揃っていてとても便利だが、もう便利な都会で暮らしたいと思わなくなってきた。
不便が楽しい!!
不便なところに住んでいると大切なことは、工夫である。
例えば、日本の食材が手に入らないところで日本食を作ろうとすると、工夫と一手間が必要だ。
最近「工夫をする」ということを楽しんでいる自分に気がついた。
ほんのちょっとしたことなのだが、アメリカ製のサランラップはワンサイズしかない。
日本のように、いろいろなサイズがあるととても便利である。
耐熱性(電子レンジにかけても毒を出さない)のラップは、結構値段が高い。
夫の空の食事の準備をして、中くらいのお皿と小さいお皿にラップをかける時、ハサミで切って使っている。
最初のころは「面倒臭い」と思っていたが、最近はなぜかこういうちょっとしたことが楽しい。
味噌も手作りをしていて、今食べている味噌は約3年ものでかなり色が濃い。
もうそろそろ無くなりそうなので、去年の10月の末に仕込んだ若い味噌を混ぜて合わせ味噌にしてみた
とてもマイルドで美味しい味噌になった。
特に10月に仕込んだ味噌は、お気に入りの塩を使ったので甘みがある。
一人で仕込んだ初めての味噌だからか?とても美味しく感じる。
今までは味噌は買うのが当たり前だったが、手作り味噌の美味しさに感動している。
今住んでいるところは、美味しい魚が手に入らない。
特に鯖やアジやイワシなど、大好きな青魚が売っているところがない。
唯一ある韓国の食材店に冷凍のじゃこが売っている。
日本人は健康のためには、青魚を毎日食べた方が良いようである。
海は冷凍のじゃこをそのままご飯にかけて食べるが平気だが、夫の空はあまり好んで食べない。
空にも毎日じゃこを食べて欲しいと思って、ふりかけにしてみた。
じゃこをゆっくりゴマと一緒に炒って、鰹節とお醤油で味付けをした。
シンプルでとても美味しいふりかけができた。
こんな些細なことでも嬉しさを感じる。
便利でなんでも手に入っていた時には味わえなかった感覚だ。
今までは「ないからしょうがない」と諦めていたが、ちょっとした工夫をすることによって、とても大きな喜びを感じるようになった。
もう便利に戻りたくないとも思う。
便利はつまらない。
考えなくても生きていけるからだ。
工夫をしながら生活をしていると「生きている!!」という実感を強く感じる。
不便な生活は、小さな幸せなを簡単に見つけられる最高な生活だ。