「飛んできたよ〜!!この上を飛んできたんだよ、信じられる?」
久しぶりに飛んできた夫の空は興奮気味だった。
30代でプライベート(自家用操縦士)の免許を取り、54歳になった今、計器飛行の免許を取るためにフライトスクールに通いだした。
「でも1回のレッスンでこんなにかかるんだよ」
空が見せてくれた領収書は、$395(約4万円)だった。
借金をしても生活が変わるわけではない
20年前から比べると、飛行機を借りるのも、燃料費もインストラクター代もかなり高くなっているらしい。
1回のレッスン料は倍以上に跳ね上がっている。
こりゃ大変だ。
空は54歳にして学生ローンを組んで、フライトスクールに通いだした。
子供がいるわけじゃなし、家のローンがあるわけじゃなし、酒やギャンブルが好きなわけでもなし。
車のローンももうすぐで終わりだ。
「べつに空が借金をしたからって、電気が止まるわけじゃないし、ご飯が食べられなくなるわけじゃないでしょう?何も生活は変わらないから大丈夫だよ」
「えっ?じゃあ、ホンダジェットを買っても良い?5億円くらいするけど」
「良いよ、買えればね」
借金はある意味、その人の価値でもある。
5億円の価値のある人なら、5億円借りられる。
数字で遊ぶ
アメリカでの2人の生活は、すべてクレジットカード払いだ。
2人のお給料は口座に数字が書き込まれるだけ、支払いの時は口座にある数字をカード会社に移すだけ。
ただ数字が増えたり、減ったりするだけで、生活が変わることは何もない。
日々の生活費も数字で遊ぶようにしている。
1週間の食費は$80。
1ヶ月の生活費の目標はすべて込み込みで$2000。
この数字以内に収めれば、何とかやっていけると計算済みだ。
多少のことなら超えても問題はない。
最近の海はこんな考え方もしている。
「食べたいチョコレートを買えば約$3、これを我慢すれば約15分働いたのと同じ」
15分長く働くのと、チョコレートを我慢するのなら、チョコレートを我慢するほうが健康的で一石二鳥だ。
こんな風に考えると節約生活も楽しくなる。
お金は数字。
この数字を増やしたり、減らしたりゲーム感覚で楽しめば、借金なんて怖くない!!