やりたいことを始めたら、別人になった夫の話

やりたいことが出来るのはとても幸せなことだ。

実際にやりたくても出来なかった時期もある。

精神的にも経済的にもどん底を経験しているからこそ、やりたいことが出来る幸せを身に沁みて感じている。

頑張ってやろうと思っても出来ないときは、まだ準備が必要な時だと思う。

やりたいことがあっても、出来ないと諦めてしまうのはもったいない。

何歳になってもやりたいことは絶対にやるべきだ。

将来のことや、お金のことなど考えず、「今」やりたいと思うことに全力投球すれば、必ず何か新しいことが生まれてくると信じている。

子供の頃はやりたいことを思いっきりやっていた。

いつからやりたいことを我慢するようになってしまうのだろうか?

「やりたいことが見つからない」という人もいるが、目をつぶってしまっているだけだと思う。

小さなことから目を向けて

「今日はこれが食べたい」

「映画が観たい」

「友達と会いたい」

こんなことから始めてみれば、そこからどんどんとやりたいと思うことが増えていく気がする。

夫 空のやりたいこと

夫、空がずっと長い間やりたくて出来なかったことは、飛ぶことだ。

30代にプライベート(自家用操縦士)の免許を取ったが、9.11以降規制が厳しくなり、そして本人の精神的、経済的な余裕もなくなり20年近く乗れずにいた。

54歳でまたフライトスクールに通って、計器飛行の免許を取ると張り切っている。

空は好奇心が旺盛なので、やりたいことがいっぱいありすぎる。

その中でも飛ぶことだけは、他の事とは違う熱いものを持っている。

フライトディスパッチャーという今の職業に就く時も、今まで見たことがない集中力で国家試験を1発でクリアした。

熱しやすく冷めやすい空が唯一、継続して情熱を注いでいたのが飛ぶことだった。

「またいつか飛びたいな」

こんなことを言われても、お金がかかる趣味は簡単に「良いよ」とは言えないでいた。

ずっとやりたかったディスパッチャーの職に就けても、あまり幸せそうじゃない空だった。

新型コロナのパンデミックで、世の中、世界中が動き出している。

どんな風に変わっていくかは分からないが、分かっているのは元には戻らないということだけだ。

先が全くわからない、どんな世の中になるのかわからない今、幸せに生きていくということを真剣に考えた。

幸せに生きていく=やりたいことをやる

こんな結論に至った。

先のことなど考えても仕方がない。

お金を理由にやりたいことをやらないのなんて、バカらしい。

「また大好きな飛ぶことを始めたら?」

自然に出た言葉だった。

夫が変わった 

また飛べるとなった空は、別人になった。

準備までに2ヶ月ほどかかったが、毎日が楽しそうだ。

空と出会ってから11年、こんなに軽やかな空を見たことがない。

ずっと憧れていたディスパッチャーの職に就いても、仕事に行く前はため息と重たい空気だった。

本人は自分が変わったのは、コロナの影響でフライトが少なくなり、仕事のストレスが減ったからだと言っている。

それもあると思うが、「飛ぶ」と決まってからの言動は明らかに変わった。

怒りっぽかったのが、怒らずジョークで切り返してくるようになった。

不眠症が治った。

体調を崩さなくなった。

間食(大好きなポテチ)が我慢できるようになった。

積極的に家事を手伝ってくれるようになった。

細かいことを気にしなくなった。

とっても明るくなった。

もともとマメだが、もっとマメになった。

良いことしかない。

「最近、いろんな人に声をかけられるようになったよ。なんでだろう?」

人付き合いが苦手だと本人は言っていたが、苦手なのではなくて、本人が拒否をしているだけだと感じていた。

空が変わったら、周りが変わりだした。

良いことしか起きなくなった。

やりたいことが出来るというエネルギーは強い

やりたいことを始めた空から、ものすごいエネルギーを感じる。

もちろん良いエネルギーだ。

エネルギー=生命力

今まで眠っていた生命力が温泉のように沸々と湧き出ているような感じだ。

54歳になってから、”学生ローンを組んでまでやる”ということに最初は少し躊躇していたが、海は何も心配はしていない。

この生命力があれば、どんなことでも乗り越えていける。

明るく軽やかな雰囲気の空、そして生命力の強い空、もう無敵だ!!

なんの不安もないし、明るい未来しか想像できない。

「思考は現実となる」

このことを信じている。

現実は自分が考えたようにしかならない。

空と出会って11年、やっと将来が楽しみで仕方がなくなってきた。

やりたいことは何がなんでもやるべきだ!!