ファーマーズマーケットの優しいおいじいちゃんとおばあちゃん

アメリカの田舎町に住み出して8年目。

優しさに溢れた人に囲まれている今、心地よい毎日を過ごしている。

類は友を呼ぶ

今働いている農場のオーナー家族が、まさに愛に溢れている人たちだ。

この農場で働き始めてから、本当に人の優しさを感じている。

 

週に一度のファーマーズマーケット。今年に入ってから、オーナーのマットのお供をすることになった。

この時期は、寒さが結構きつい。

出店しているのは10店舗くらいか?

2時半から5時半の3時間。天気の良い日は良いが、雨の日、風が強い日は、本当に体の芯から冷える。

そこに腰の曲がったおじいちゃんが、毎週ホットコーヒーとクラッカーを持ってきてくれる。

何も言わずにただ、人数分を置いて行ってくれる。

なんの見返りも求めない、ただ黙々とコーヒーとクラッカーを配っているおじいちゃんの姿はとても美しい。

そのおじいちゃんの存在だけで、どんなに寒い日でも心がポカポカする。

 

ファーマーズマーケットに、とても小さなおばあちゃんが5パウンドのビーツを注文しにきた。

「金曜日にお店に用意しておくよ」

金・土曜日は、農場の敷地内にあるお店のオープン日。

マットは、その日にお店に取りに来るようにおばあちゃんに言った。

「あら、あなたはファーマーズマーケットでもここでも働いているの?」

金曜日におばあちゃんがお店にビーツを取りに来て、海に声をかけてきた。

「ここでフルタイムで働いています」

おばあちゃんは25年前にリタイアした、元英語の先生で名前はマリー。

「あなたはどこの人?」

「日本人です」

「私が現役で教えていたときは、たくさんの韓国人の学生さんがいたけど、日本人はいなかったわ」

「私は英語が下手なので、もっと勉強しなくちゃと思っているんです」

「10年前に主人を亡くして、私にはたくさん時間があるからいつでも英語を教えてあげられるわ。もちろんお金はいらないわよ」

マリーは、自分の時間を誰かのために使えるなんて嬉しいことだと、いつでも時間が合えば英語を教えてくれると言ってくれた。

 

こういうおじいちゃんとおばあちゃんとの出会いは、今の農場で働き出してからだ。

優しいエネルギーが、ゆっくりと循環しているような気がしている。

優しい人に囲まれていると、自分も常に優しく居られる。

そして、こういう風に歳を重ねていきたいと心から思う。

素敵なおじいちゃんとおばあちゃんとの出会いに感謝!!