新しい職場で感じたこと

今月で生まれてちょうど半世紀。

この年になってから、転職をするとは思わなかった。

当初の予定では50歳までに小さなビジネスを立ち上げているはずだったが、人生はそんな思い通りにはいかない・・・

 

630エーカーの大農場で7年間働かせてもらっていたが、12エーカーの小さな農場に転職して1週間。

元々この小さな農場のファンだった。

以前働いていた農場でファーマーズマーケットの売り子をしていた時に小さな農場のオーナーのマットと顔見知りになった。

売り子のポジションを若い子に譲ってからは、お客としてファーマーズマーケットに野菜を買いに行っていた。

大きな農場と小さな農場の野菜は明らかに味が違う。

特に味が違ったのはケール。

日本では「青汁」に使われているケールは、アメリカではサラダ、スープ、ソテー、ブレッド、キッシュ・・・何にでも使う人気の野菜だ。

ちょっと青味と苦味のあるケールだが、育て方では甘味も出る。

甘いケールを初めて食べたのが、今働かせてもらっている小さな農場から買ったものだった。

働いてまだ1週間だが、なぜ違いが出るのかがわかった。

愛と熱意

 

大きい農場はどうしても分業になる。

計画を立てる人、作業する人、売り先を決める人、デリバリーする人、売る人・・・

みんな役割分担で仕事をしているので流れ作業になり、愛や熱意を込めて仕事をしている人はいなかった。

しかも統括しているマネージャーの指示で動くので、愛や熱意は邪魔になることが多い。

仕事の流れが上手くいかずに、それぞれのポジション同士がいがみ合うこともある。

だから野菜たちは愛を受けることなく、寂しく生きている。

そういう野菜の味は・・・

 

小さな農場はすべてをオーナーのマットがやっている。

だから野菜に対しての愛がすごい。

野菜が生きやすいように勉強して工夫して、お客さんに喜んでもらおうと一生懸命作業している。

私たち従業員に対しても、いつも笑顔で対応がポジティブだ。

大きな農場では海がみんなに声をかけ挨拶をしていたが、マットはどんなに遠くにいても「海、おはよう。今日も元気?」と大声で声をかけてくれる。

朝の挨拶の交換だけで、気分が全く違う。

そんな場所で育っている野菜の味は・・・

 

分業で働く大きな農場よりも、いろいろなことをさせてもらえる今の農場の方が50の体には前よりもキツイがとっても楽しい。

農アスリートとしては毎日の体のメンテナンスを今まで以上にしっかりやらないと、パフォーマンスが悪くなる。

たったの5日間で体重は減り、体は軽くなっている。

ダメ元で「マットの農場で働きたいんだけど・・・」と聞いてみて本当に良かった。

もっと楽しくなる予感がするぞ!!