話が合わない人との会話術

苦手な人と付き合う、話を合わせる、無理をして人と付き合うことはしないで今まで生きてきた。

好きな人としか付き合わない。

そんな生活ができたこと自体が、とても幸せなことだということが最近わかった。

 

今働いている畑で唯一日本人の人がいる。

Mさんは目と鼻の先に住んでいたのに、3年間も会うことはなかった。

そして出会ってから「畑で働きたいので紹介してください」と頼まれ、1年半前から一緒に働いている。

同じ年なのだがまったくタイプの違う人なので、はっきり言って話は合わない。

性格は良い人だと思う。

ただ興味のあること、感じること、話す内容がまったく合わない。

彼女は一生懸命話を合わせようとしてくれるけど、無理をしているのを感じる。

すごく気を使ってくれているのもわかるし、遠慮をしているのもわかる。

日本から遠く離れているど田舎に住んでいるので、助け合いながらおつきあいをしていければと思っているが、一緒に仕事をしていると疲れることもある。

 

先週から水耕栽培のハウスから、露地栽培の部署に移ったのでMさんと毎日会うことはなくなった。

今日、1週間ぶりに彼女と仕事をした。

そして彼女との会話で疲れない話し方を習得した。

海はあまり人のことが気にならないので、人の噂話などは苦手だ。

Mさんは常に周りの人が気になるらしく、人に対しての質問が多い。

彼女との会話で発見した会話術は「自分の思ってることと、人から聞いた話はしない」ということだ。

「ずっと天気が悪かったのに、やっと晴れましたね」

「私は今日から朝ヨガを始めたんですよ」

こんな感じで実際の出来事だけを会話の中心にする。

決して、「Mさんはヨガに興味がないのですか?」とか、「朝ヨガをすると気分が良いですよ!」

などとは言わない。

Mさんに意見を求めたり、自分がどう思っているかを伝える必要なないのだ。

話が合わない人に、自分の気持ちを伝えても話はギクシャクするだけだ。

 自分の身の回りに起きた出来事だけで十分に会話は成り立つし、とてもスッキリして余分な会話をしなくて済む。

 

「この学生の子たちは、このままずっとハウスで働くことになったんですか?」

海が露地栽培に行くまえに働いていた学生のアルバイトの子たちがハウスで働くことになった。

彼女たちがいろいろな問題を起こし、オーナーとマネージャーとの決断で、彼女たちをハウスに、海ともう一人の女の子を露地栽培に・・・という決定があったようだ。

「そうみたいですよ」

「彼女たちは納得してハウスで働いているのですか?」

「納得はしていないんじゃないでしょうか」

「何かあったんですか?」

「私は実際に彼女たちと働いていないのでわからないです。でも露地栽培の仕事は適正じゃなかったみたいですね」

これでこの話は終わった。

余分なことは言わずにとてもスッキリ!!

Mさんは旦那さんや子供達の話、家のことなどもいろいろ話してくれる。

だいたいが愚痴のような感じだ。

「うちの旦那はすぐにキレるから本当に大変なんですよ。こんなことがあったんですよ!!」

「それは大変でしたね。でもアメリカ人の旦那さんだといざという時にはとても頼りになるから羨ましいですよ。うちは日本人同士だから、結構大変なこともたくさんありますよ」

こんな感じで「大変だ〜」という話を、「あなたは幸せですよ」という感じで話を締める。

 

話が合わない人と話をすることは結構大変だ。

あまり長く話をしていると、変な疲れ方をする。

話はスッキリと短めに、そして相手に悪い印象を与えないことが大切だ。

プライベートなら付き合わなければ済む話だが、職場が一緒だとそういうわけにはいかない。

お互いに気持ちよく付き合っていくためにも、自分の考えや感情を出さずに時事ネタを話すのが一番の会話術だ!!