最近、会うとちょっとドキドキする相手がいる。
それは畑で一緒に働いているアメリカ人のヘザー。
ドキドキは大袈裟かもしれないが、会うたびに今まで会った人とは違う感覚を覚える。
彼女は去年の夏から働き出し、今では露地栽培のマネージメントをやっている。
そして海が通っているヨガスタジオのインストラクターでもある。
「クリスマスの準備は出来ている?」
クリスマスイブの朝、畑では今週最後のレストランのオーダーを準備するために仕事だった。
「う〜ん。あんまりクリスマスに特別なことはやらないんだよね」
アメリカ人には珍しい返事が帰ってきた。
普通はクリスマスショッピングに行き、家族で集まりプレゼント交換。
みんなこの日のために、ものすごいお金を使う。
「何を作って食べようか?それだけかな。クリスマスのためにお金はあまり使わないよ」
ヘザーは海より10歳以上年下だが、とても落ち着いている。
あまり喜怒哀楽がなく、感情のアップダウンもほとんどない。
いつも同じペース、同じ調子で声のトーンも落ち着いている。
海とは真逆なタイプだ。
最近は感情の起伏の波がなだらかになってきた海だが、落ち込んだりすることはないがすぐにハイテンションになる。
周りを盛り上げるために、この歳になってもはしゃいでみたりする。
そんな時に隣にヘザーがいると、ちょっと恥ずかしいような気分になる。
ヘザーは大人な女の雰囲気が漂う。
海はいつまで経っても、子供の感覚が抜けきれない。
そんな真逆なヘザーと会うと、なぜかドキドキしてしまう。