2022年はのんびりとスタート。
2021年はよく働いた年だった。
特に10月からの3ヶ月は、1日11〜12時間、1週間に65時間以上働いていた。
年末にマネージャーのヘザーからメールで、新しいスケジュールの連絡がきた。
仕事の少ない冬の季節、海はやることがたくさんあるが他の人に合わせて随分とスケジュールをカットされた。
「これでやっていけるかな?」
新しいスケジュールは、1週間に36時間。
これでは赤字になるのが目に見えている。
新しいスケジュールは1月、2月の2ヶ月のみだが、やはり赤字を出したくはない。
「土日だけ働けるとこのにアプライしてみようかな?」
夫の空に相談してみた。
土日働くとなると休みがなくなるが、家の仕事をしなくていい今、毎日働いていたほうが体の調子が良い。
そして水曜日の新しいスケジュールは午前中だけなので、午後はゆっくりとできる。
午後ゆっくりできるだけで、1日休んだように感覚になるから不思議だ。
そして海にぴったりの募集を発見した。
Panera Breadというアメリカのチェーン店だ。
去年の秋に家から車で5分ほどの場所に移転して、働く時間も今の海の生活にピッタリの時間帯がある。
ヘザーからメールが来たその日の夜に、空に手伝ってもらってオンライでアプライをした。
土日祝日のみの出勤で、5:00am〜2:00pm。
気になったのが、40歳以上かどうか聞かれたことだ。
アメリカでは基本的には年齢を聞いてはいけないことになっているから、18歳以上かどうか?40歳未満かどうか?という聞き方をしてくる。
日本と同じく、若い子の方が使いやすいのか?
アプライをした次の日になんとなく、お金に振り回されている自分に気がついた。
「生活費のために7days働くの?」
「お金がないことがそんなに不安?」
自分の中に疑問が起こってきた。
お金に振り回されない生き方をしたいと、7年前に大都会から引越しをしてきた。
引越しをしてきて1ヶ月半後には仕事がなくなり、日本に出稼ぎに行くことになった。
ここ2、3年でやっと生活が安定し、生活費よりも収入の方が上回る生活ができるようになっていた。
空が仕事を辞めたことによって大黒柱となった海は、無意識のうちに収入が少なくなる不安を消そうと、すぐに新しい仕事探しをしていたようだ。
家計簿を見直してみえば、生きていくために必要なだけの生活費だけならなんとかなりそうだ。
アラフィフ夫婦は家族会議をして、1、2月の節約サバイバル生活をしていくことにした。
最初に動いてくれたのは空だった。
勝手にどんどん値上がりしていくインターネット通信費(Wi-Fi)の契約を解除してくれた。
携帯電話のホットスポットだけで、ぜんぜんやっていけることがわかったからだ。
これだけで月に約$130も節約だ。
食費はあまり削らないことにする。
今までも週$100以下でやりくりをしていて、月に$400使うことはない。
海の職場の畑から野菜は持って帰れるが、1、2月は採れる野菜が少ないので、健康維持のためにも食費はきちんと確保。
年末に家族のようなKさんからたくさんの食料(缶詰や麺類、乾物)を頂いたので、大助かりだ。
毎週買っているコーヒー豆は健康維持には関係ないから控えようと思っていたら、これまたKさんから頂いた。
1月中は買わなくても大丈夫だ。
一番の問題は、空の本代。
家にいる時間が長くなったので、欲しい本がいろいろとありそうだ。
「欲しい本があるんだけど、ダメかな?」
「どうしても1、2月中に欲しいの?」
「できれば早く欲しいんだけど・・・」
家にいる時間を利用して、空もいろいろと考えがあるようだ。
毎日食べていたリンゴ(ランチとしての)を食べないことと、セントラルヒーティングの設定温度を低くして過ごすことを提案し訴えてきた。
空が買う本は、必ず海が読みたくなるような本ばかりだ。
海も家にいる時間が増えた分、本を読む時間を増やそうと考えていた。
家にはまだまだ読んでいない本がたくさんある。
「どうしても必要な本なら仕方がないね」
Panera Breadから1週間経っても連絡はない。
でも収入に合わせた生活をしていけば良いだけだと考えを変えたら、心がとても軽くなった。
どんな時でも楽しもう!!
ヘザーとゆっくりと話す機会があった。
「忘れてた。海の旦那さんは仕事を辞めちゃったんだよね。海のことはとても信頼しているから、必要だったらもっと働いても良いからね」
2ヶ月間はのんびりしようと思っていたら、こんなことを言ってもらえた。
もちろん暇なこの時期に65時間も働くつもりはないが、40〜45時間くらいは働かせてもらおうと思っている。
お金への執着心を捨てたら、流れがスーっと変わった気がする。
「生活費が足りない、どうしよう」
とずっと思っていたら、ヘザーとゆっくりと話す機会もなかったかもしれないし、会話も違うものになっていたようが気がする。
執着という重りを捨てて軽やかになったから、軽やかに事が動いたのだろう。
これでPaneraから連絡が来たら面白いのにな〜と思う、今日この頃である。