日本の美しく大切な文化「お花見」
奈良時代の貴族が梅の花を鑑賞することに始まり、平安時代に桜のお花見が重要な行事になったそうな・・・
子供のころのお花見は、世間一般と違って「バラ園に行くこと」だった。
母の作った手作り弁当をもって、バラ園で1日過ごすことがお花見だった。
桜は学校の校庭や市役所の駐車場に咲いていて、特別なものでもなく、桜の下でお弁当を食べるということもしたことがない。
たぶん桜の時期はまだ肌寒いので、5月ごろが見頃で気候も良いバラ園に行くことになったのかもしれない。
いや、父親の影響か?
父はバラが好きだったようで、父が亡くなる前は庭にはたくさんバラが咲いていた。
玄関にはバラのアーチもあった。
社会人になり東京に出てから、初めてお花見のための場所取りや桜の下での飲み会を知った。
人がごちゃごちゃしているところでの馬鹿騒ぎの宴会が嫌で、1回しか経験をしていない。
飲食店を経営してから毎年、新宿御苑でお花見をしていた。
海が行っていた頃はまだ外人の観光客が少なかったので、ゆったりとお花見を楽しめた。
規制も緩かったので、お酒も飲めた。
お料理上手の常連さんがお重を用意してくれた。
新宿御苑での戦いはカラスだった。
ボーっとしているとカラスにお料理を持っていかれる。
ひどい時には頭を突かれることもある。
新宿のカラスは人間のことを怖がらず、美味しいものを狙っていた。
2008年にアメリカに移住してきて、1度だけワシントンDCの桜を見に行ったことがある。
学生をしていたある日、学校の授業に行き詰まりを感じ、急にどこかに行きたくなった。
サンフランシスコからワシントンDCに引越しをしてきた友人の顔が浮かんだ。
その場ですぐに彼女に電話をしてみたら、桜がちょうど見頃だという。
すぐに安いバスのチケットを買って、その週末に遊びに行った。
想像していた以上に綺麗な桜だった。
海が好きな桜の品種は「アメリカ」だ。
花びらが大きくて、ぷっくりとした可愛い形だ。
まさかこの頃は、自分がアメリカで生活をすることになるとは想像もしていなかった。
数年前には夫の空と一緒に日本に行った時に靖国神社に参拝にいき、気象庁が指定した東京の標本木に会うことができた。
ちょうど4月の頭でこの年の開花は遅かった。
なので、咲き始めのころの標本木を見ることができた。
この季節に日本の友人に連絡をすると、「桜が咲き始めたよ」「桜が雨で散っちゃった」など、かならず桜が話題に出る。
日本の国花の桜は、日本人にとってとても大切で特殊な植物。
お花見文化はいつまでも大切にしていきたい。