アメリカのある日の出来事。
その1 びっくりするほど雑な仕事をするおじさん
アメリカ人は物を投げるのが得意だ。
新聞配達も空港の荷物でも、持ち上がるものは放り投げる。
海が働いている農場はこの冬、7棟目のグリーンハウスを立てる予定だ。
ほとんどいつも居るオーナーのマットがちょっと出掛けた時に、大きなトレーラーに積まれたグリーンハウスの枠組みのパイプやパーツがたくさん搬入された。
運んできたのは、かなり年配のおじさん、しかも一人。
普通だったらフォークリフト(荷役自動車)がないとトレーラーから下ろすことができないが、農場にはない。
どうやって下ろすのか?遠くから見ていたら、持ち上がる小さなパーツが入った箱は、トレラーの上から投げている。
金属が入っている箱なので、地面に落ちた瞬間にものすごい音がする。
ガチャガチャした大きな音を聞いていると、心がソワソワしてくるので手伝いに行った。
おじさんは真っ赤な顔をしてぶっきらぼうに「そっちを持って」と言ってきた。
とてもじゃないが、持ち上がるような重さじゃない長いパイプの束。
私が持てないと分かると、トレーラーから地面に向けて2本の板を下ろし、その板を使ってパイプの束を転がり落とすという手段に出た。
おじさんはその束を足で蹴って落とした。
束ねてあった太いバンドが切れて、鼓膜が破れそうなほどの爆音を立ててパイプが転がり落ちた。
おじさんは資材屋さんの人なのか?運送屋さんなのか?はわからないが、商品を届けに来た人だ。
あまりにも雑に扱うので、ちょっと・・・と思ったが、イライラしながら蹴り落としているおじさんを見ていた。
マットが帰ってきて「こっちに広いスペースがあるから、ここに落としてくれても大丈夫だよ」と言っている。
新品で買ったものを雑に扱われても何とも思っていない様子。
さすが、アメリカ!!
その2 ご近所さんの井戸端会議
海が住んでいるアパートは全部で12室だ。
海よりも長く住んでいる同じ階のフレッドと、下の階に住んでいるウィリーはとても仲が良い。
ある日仕事から帰ってきたら、二人でウィリーの車に乗っていた。
仲は良いが、一緒に出掛けるのを見たことがない。
「これから二人でどこに行くの?」(海)
「ただこの最高の天気を楽しんでいるだけだよ」(フレッド)
「天気を楽しむのに車の中で?」(海)
「メンズトークだよ。これと一緒に」(フレッド)
フレッドはビール瓶を持っていた。
アメリカでは基本的にお酒を屋外で飲んではいけない。
飲む人は紙袋にいれるか、黒いビニール袋に入れて隠して飲む。
二人はビール瓶を隠す代わりに、自分達が車の中に隠れて飲んでいた。
これも、アメリカ!!
その3 スーパーマーケットの店員さんの一言
夫の空がグロッサリーショッピングに行ってくれた。
毎日ランチに食べるリンゴがすごい値上がり方をしていたらしい。
トータルの値段が想像以上に高かったのでレシートをチェックしてみたら、今まで1袋$6程だったリンゴが$10になっていたらしい。
海が2袋頼んでいたので、リンゴだけで日本円で約2800円。
あまりにも高すぎるので、返却するときに店員さんに「このリンゴはこの値段で間違いない?ちょっと高すぎるよね?」と言ったらしい。
その店員さんは
「文句はバイデンに言ってくれ!!」
さすが、アメリカ!!