珍しく同僚のメキシカン・フェルミンから電話が入っていた。
もう家に着いてシャワーを浴びている時だった。
「どうした?何かあった?」
とメッセージを送ったら、
「スイカいらない?」
「もう家に帰ってきてるよ。残念だけど・・・」
フェルミンはとって置いてくれた。
ピックアップトラックに大きなスイカが3つ転がっていた。
一番小さなスイカをとってお礼を言うと、
「これは全部海のだよ。帰りまで木陰に置いておけばいいよ」
生まれて初めて大きなスイカを3つももらった。
もちろんそんなに食べきらないので、マネージャーのヘザーと唯一の日本人の同僚Mさんに1つずつ持って帰ってもらった。
なんでも日本よりも大きいアメリカだが、スイカも例外なくとても大きい。
いくらアメリカの冷蔵物が大きいとはいえ、丸ごと1つは入りきらない。
半分に切って、アパートの同じ階の仲良くしているフレッドの家に持っていった。
「スイカ大好きだよ、ありがとう!!」
喜んでもらえてよかった。
見た目はちょっと白っぽくてあまり美味しそうではなかったが、食べてみたら甘くて美味しかった。
今年の初物。
今はスイカの収穫の真っ只中。
海が働いている農場では今年は作っていないが、周りの畑では大忙しだ。
古くなったスクールバスの窓を取っ払った車が、スイカ車だ。
スクールバスは10年で引退しなくてはならない決まりがあるらしく、安く買えるらしい。
座席も取っ払って、窓も取っ払ったスクールバスが夏は大忙しだ。
田舎の夏の光景だ。