3年ぶりの絶不調 vol.2

体調を崩す前、働いている農場ではインフルエンザが大流行していた。

オーナーのマットの2人の子供たちが一気にインフルエンザにかかり、1週間学校を休んでいた。

一緒に働いているメキシカンのアナイの娘も、インフルエンザにかかったと言って学校を休んでいた。

アメリカの田舎町では、もう「コロナ」という言葉は聞かない。

子供たちが治りかけてきた頃、マットが咳を始めて「子供たちから移ったかもしれない・・・」と、日々辛そうに仕事をしていた。

その頃、風邪の菌をいっぱい浴びて家に帰っていた海は、その菌を家でばら撒いていたようで、夫の空が「なんだか風邪気味のような気がする」と言い出していた。

家に帰ったらすぐにシャワーを浴び、うがいも欠かさず、体調管理はバッチリな海は、絶好調で仕事をしていた。

 

寝込んだ2日間は、たぶん熱もあったと思う。

最初はインフルエンザだと思っていた。が、体の痛みが抜けて頭痛だけになった時に、気がついたことがあった。

「この痛みは以前にも体験したことがある」

3年前に帯状疱疹にかかった時と同じ感じ。

その時は顔に発疹ができ、あまりの痛みに耐えられず病院へ行き、抗生物質を飲んだ。

その時の神経痛のような頭皮がヒリヒリする頭の痛みが蘇ってきた。

そしてその後、胸の奥の痛みも感じ、歩くと振動で胸骨の間がズキン、ズキンとする。

べつに肺が痛いわけでも、心臓が痛いわけではないので、調べてみると神経痛だということがわかった。

神経痛=帯状疱疹の痛み

自分の中で確信に変わって、「発疹の出ない帯状疱疹」と調べてみたら、実際にそういう症状がある。

間違いない!!

 

3年前は日本にいる姉との電話のやりとりで、姉の愚痴を聞き続けた後に帯状疱疹になった。

今度はサンクスギビングホリデーで泊まらせてもらった友人の愚痴を、2日間聞き続けた。

自分では気がついていなかったが、かなりマイナスのエナジーを浴び続けて、そのストレスが自律神経を乱し免疫力を低下させていたみたいだ。

自分ではストレスに強いと思っていたし、愚痴を聞いても上手に聞き流していると思っていた。

実際は自分の感覚とは違い、かなり負担がかかっていたようだ。

 

3年前は抗生物質を飲んで、治るのに1週間ほどかかった。

今回は自然治癒力だけで、治そうと薬を飲まずに頑張っていたが、どうしても頭痛に耐えられない時は、タイレノール(鎮痛剤)を飲んで仕事をしていた。

仕事を復帰した週は雨模様。

どしても雨の中収穫しなくてはならず、仕事に行ったからには「『出来ません』と言う」ことは自分に許してないので、農アスリートとして、いつもの1/3の速度でもやりきった。

 

不調になってからちょうど2週間の今日。まだ頭痛が続いている。

休みの日は薬を飲まずに、痛みに付き合っている。

50代になった今、体調が悪くなったと同時に食欲もなくなった。

昔なら、どんなに具合が悪くても食欲が落ちることはなかったのだが・・・

この2週間で、今までどんなにダイエットしても到達しなかった体重に落ちた。

食べられない=体力がない

 

健康でいることがどれだけ幸せなことか?もちろん分かっていたつもりだが、さらに強く実感している。

そしてこの不調を通して、今まで見落としていた自分の弱みや新たな感覚の発見もあった。

自分の身に起こることは、すべてが必要なこと。

痛みが取れないということは、まだ学ぶべきことがクリアになっていないということだ。

あともう少し。

自分に気づきが必要なようだ。