海外に住んでいると、どうしても現地の人と日本人を比べてしまうことが多々ある。
「外国人の中に日本人が一人入るだけで調和が取れる」
こんな記事をいつか読んだことがある。
日本人は人の心を読んだり、周りに合わせて行動するのがとても得意だと思う。
自己主張が強いアメリカ社会にいると、ついつい日本人の良いところを忘れてしまいそうになることがある。
特に大都会に住んでいた時は、「明日の友は今日の敵」「人を蹴落として、のし上がる」のが当たり前。
「人のことなど考えていたら、自分が損をする」という寂しい考えになってしまう。
先日、働いている農場でランチの時にタコスが振る舞われた。
去年から夏休みに働いているオーナーの息子のベンの15歳の誕生日と、家族みんなで働いている高校生、アルフォンソのラストデーだったので、マネージャーのヘザーが準備をしてくれた。
近くの人気のメキシカンのレストランでテイクアウト。
4種類のタコスが振る舞われた。
海が12じ10分頃に行くと、もう半分以上のタコスは無くなっていた。
そして最初に食べ始めていた若い学生たちが2回目に並び始めている。
収穫を担当しているメキシカンたちは、午前中の収穫を終えて帰ってきたとき、12時20分すぎ。
もうタコスはほとんどなくなっていた。
かろうじてメキシカンの女の子たちは食べられた。
男たちは収穫してきたチェリートマトをトラックの荷台から下ろさなければならない。
その間にすべてのタコスはなくなってしまった。
海はつい日本人的感覚で、彼らのためにとっておいてあると思っていたが、出ていただけが全てだった。
みんなに行き渡るように・・・と考えながら食べるのは日本人だけかもしれないと、この時に思った。
そんな時にオーナーのアンディも食べに来たが、もうタコスはない。
それを見て、メキシカンのボスのロベルトに「ごめん、これで何か買ってたべてくれ」と言ってお金を渡していた。
たぶん一人$10くらい渡していたようだ。
もうほとんど食べ切っていた海はなんだかとても悪い気がした。
メキシカンたちもヘザーもアンディも食べられなかった。
準備をしてくれたヘザーはロベルトに謝っていた。
ロベルトは一緒に働いている奥さんが少し多めに取れたようで、少し食べられたみたいだ。
日本人は大人しすぎるとか、周りを気にしすぎると悪い面をクローズアップされることが多い。
表裏一体
すべてのことには裏表がある。
周りのことを気にするのは、良い面もあるし、気にし過ぎれば悪い面になることもある。
でも調和の心は、周りを気にしながらバランスを取るとても大切な精神だ。
この調和の精神は日本人がもっと誇るべきである。
謙虚な美しい心を忘れない、いつも調和の取れた誇るべき日本人でいようと心に誓った。