世の中には褒められて伸びるタイプと、叱られて何クソ根性で伸びるタイプがいる。
海は子供のころから完全な褒められて伸びるタイプだ。
褒められたら調子に乗ってどんどん頑張れるし、どこまでも伸びていく。
そんな自分が好きだった。
しかし最近、このことに弊害を感じている。
褒められて伸びるということは、常に人からの評価を求めているということだ。
「こんなに頑張ったよ」
いつも自分の頑張りをアピールしたり、頑張ったことへの賛美を求めている。
このことに気がついたのは、姉とのやりとりだ。
姉は今一人で母の介護をしてくれている。
コロナの前は日本にちょこちょこと帰り協力していたが、2020年3月に日本から戻ってきて以来、一度も日本に帰っていない。
そんな姉からいつもラインで愚痴や泣き言、そしてどれだけ自分が頑張っているかの連絡があった。
もちろん仕事をしながら母の介護をしているのは大変だと思う。
感謝もしている。
でも50年以上母に甘えて暮らしてきた姉には、日々の当たり前の家事さえも大変なことだ。
「どんなに疲れて帰ってきても毎日ご飯作りをしている」
「休みの日には、掃除や洗濯、買い物に行っていて自分の時間がない」
海にとっては当たり前のことでも、姉に取ったら「こんなに頑張っているんだよ」ということになる。
そんな姉とのやりとりで、自分のことを省みた。
海も同じことを職場でやっている。
自分の仕事ではないことはほぼやらないアメリカ社会なので、特に誰がやると決まっていない仕事は誰もやらない。
「これやっておいたよ」
ボスからの賛美が欲しくて、自分がやったことをアピールしている自分がいた。
「姉と同じじゃん」
常に人からの評価を気にして求めている自分が嫌になった。
これからは、
褒められなくても伸びるタイプ
に変更することにした。